「Nostalgic harmony 地図にない場所」
(フォトアーティスト 山本英人 作品シリーズ)

ヨーロッパの田舎の風景や中世の砦跡に出会ったときに、きっと中世から同じ光景なんだろうと郷愁に似た感情を抱きます。そして昔の階段、庭園跡を目にすると、かつてはここで時間を過ごした人もいたに違いないと想像します。ただ座っていたり、本を読んだり。
そのような郷愁を感じながら、写真を重ね合わせて印象派写真でそのような世界を作り、そこでの時間を表現してみました。現代でも昔でもない架空の時代の架空の場所です。この「地図にない場所」のそこに吹く風や水の冷たさ、遠くで響く教会の鐘の音、のんびりとした時間の流れ、一枚一枚の中にある物語を感じていただければ、中世へのノスタルジーが、新たに色を伴ったイメージとなって心の中に広がってくるかもしれません。
(最終更新日 2019年8月)